「海外で収入を得た時の税金はどうなるんだろう?日本から課税されるのだろうか?」
近年は急速なインターネットの普及や国のボーダーレス化によって、最近は海外に移住する日本人が増加傾向にあります。
海外移住する日本人の中には、海外現地の企業に勤める方、日本から海外駐在員として派遣され働く方、インターネット上で生計を立てている方など、様々な方がいます。
さきに結論から申し上げると、あなたが日本の居住者か非居住者かによって、日本で課税対象になるかどうかは異なります。
つまり、あなたが日本に住民票を残していれば課税対象になりますし、日本の住民票を抜いていれば課税対象にはなりません。
本記事では海外移住を目指す筆者が「海外で収入を得た時の税金」についてわかりやすくご紹介いたします。
これから海外で収入を得る可能性がある方は、ぜひ本記事をご覧ください。
海外で収入を得た場合の税金の支払い基準
まず海外で収入を得た時の税金の支払い基準としては、日本で「居住者」扱いか、「非居住者」扱いかによって異なります。
納税者区分 | 課税の範囲 | |
居住者 | 日本国内に住所を持つ個人 | 全世界所得 |
非居住者 | 居住者以外の個人 | 日本国内の所得のみ |
日本の居住者の場合は、日本国内に住所を持つことになりますので、日本国内・国外で稼いだ収入の全てが課税の対象になります。
一方で非居住者の場合は、日本国内で稼いだ収入のみが課税の対象になります。
わかりやすい事例として、よく日本の投資家や経営者が海外移住しますが、彼らは日本の非居住者になることで、日本ほど課税負担がない国(オフショア)を選び、税制的に大きなメリットを享受しています。
居住者と非居住者によって、税制上のルールが異なる
さきほどの説明の通り、あなたが日本国内の居住者か非居住者かによって、日本に対して税金を納めるかどうかが異なります。
居住者と非居住者の区分は、日本に住民票を持っているかいないかによって異なります。
そのため、収入源が海外だけにしかない場合にも日本で住民票を残していると、日本に対して税金を納める必要が出てきます。
住民票はいつでも戻すことができるので、「海外でしか収入を得ない方」は住民票は抜いてしまった方が経済的にお得です。
海外ノマドになるなら、住民票は抜いちゃうのがオススメです。住民税と健康保険と年金が無料になります。
— マナブ@バンコク (@manabubannai) March 27, 2018
住民票の抜き方は、近くの市役所にいって「海外転出届ください」って言えば完了です。
なお、住民票を戻せばすぐに健康保険は復活するので、あまりリスクもないですね
ちなみに現在の筆者はシンガポールの現地企業で働いているので、日本に対しては一切税金を納めずに海外で暮らしています。
(もちろん、日本を出国する前に住民票を抜く手続きを完了させました。)
日本の住民票を抜くことで海外の現地企業から収入を得た時の手取り額が多くなります。
日本と海外の二重課税を防ぐためには、住民票を抜くべし!
日本国内・国外の二重課税を防ぐためには、「住民票を抜くこと」が得策です。
住民票を抜くと、海外で得た収入が日本国内の課税対象にならない上に、住民税と国民健康保険料の支払いが免除になります。
具体的には、年金だけで毎年20万円近くの額(2021年度)を日本に納めずに済みます。
一般的に日本を1年以上離れる方は、お住まいの地域の自治体に転出届(住民票を抜く)をするのが原則ルールになっています。
これから海外に住む上で特別な理由がない限りは住民票を抜いた方が良いでしょう。
海外に住みながら、資産運用をする場合の税金はどうなる?
海外に住みながら資産運用をする場合の課税も、日本で「居住者」扱いか、「非居住者」扱いかによって異なります。
実は最近FPに相談して、インデックス投資をキャンセルすることにしました。理由は、僕はもうしばらくで日本の非居住者になるため、海外移住後に日本の証券口座を使い続けること自体がグレーゾーンになってしまうからです。海外移住後に海外で証券口座を開いて、インデックス投資をすることにします。 https://t.co/SSBVQEPJhL
— きょん@南国好きリーマン🇸🇬 (@kyon2025) March 19, 2021
筆者も日本を出国するまでの数ヶ月間は、日本国内で資産運用を始める予定でしたが、税制的なメリットはありませんでした。
そのため、シンガポールに住み始めてから現地の証券口座を開設し、全く課税されない状態で資産運用をすることにしました。
これから海外に住みながら資産運用をしたいという方は、必ず日本を出国する前に日本の住民票を抜くようにしましょう。
海外で収入がある方は、日本での納税漏れに注意しよう!
今回は、「海外で収入を得た時の税金」について詳しくご紹介してきました。
海外で収入を得た場合の税金の支払い基準としては、日本で「居住者」扱いか、「非居住者」扱いかによって異なります。
納税者区分 | 課税の範囲 | |
居住者 | 日本国内に住所を持つ個人 | 全世界所得 |
非居住者 | 居住者以外の個人 | 日本国内の所得のみ |
日本居住者の場合は日本国内・国外で稼いだ収入の全てが課税の対象になりますし、日本非居住者の場合は日本国内で稼いだ収入のみが課税の対象になります。
そのため、収入源が海外だけにしかない場合に日本で住民票を残していると、日本に対しても税金を納める必要が出てきます。
また海外に住んでいるのに日本に住民票を残していると、確定申告などの手続きも発生するので、納税漏れのリスクも高まります。
「海外でしか収入を得ない方」は日本国内の住民票は抜き、日本に税金を納めない方が経済的にお得ですし、煩雑な手続きも不要になりますので、損することはありません。
これから海外で収入を得る方は、まずは日本出国前に住民票を抜いておくことで、快適な海外生活をスタートできるはずです。